※画像はイメージです。金山城(新田金山城)
Kanayama Castle (Nitta Kanayama Castle)
金山城(新田金山城)は文明元年(1469年)に岩松家純が築城。以後约120年にわたり関東屈指の難攻不落の山城として機能に築かれた関東の名城。城主は新田義貞の子孫・岩松氏(15世紀)→ 由良氏(16世紀)→ 北条氏(天正18年廃城)(Iwamtasu Clan, descendants of Nitta Yoshisada (15th century) → Yura Clan (16th century) → Hōjō Clan (abandoned 1590))。
概要
金山城(かなやまじょう)は群馬県太田市の金山(かなやま・標高239m)山頂に築かれた戦国時代の山城で、文明元年(1469年)に上野国の有力国人・岩松家純(いわまついえずみ)によって築城された。新田氏(源義家の子孫・新田義貞の一族)の居城であった新田荘(にったのしょう)の本拠地に位置し、関東平野を一望できる要衝の地に建てられたことから、「関東の名城」「難攻不落の金山城」として戦国史にその名を刻む。別名「太田金山城」とも称される。
城は金山の山頂部から尾根全体を利用した連郭式の縄張り(なわばり)を採用し、本丸・二の丸・三の丸・馬場曲輪・物見台などを尾根伝いに配置した。特筆すべきは、石垣の使用において東日本(関東)では最古・最大級の規模とされる点で、15世紀後半にすでに本格的な石垣造りの城郭が関東に存在したことを示す重要な遺構として評価される。野面積みによる石垣群と堀切(ほりきり)・土橋(どばし)などの土造り遺構が混在し、山城の防御体制の変遷を示す好例である。
城主は築城の岩松氏から、その家臣であった由良成繁(ゆらなりしげ)が天文年間(16世紀中頃)に実権を掌握して由良氏の城となる。由良氏の時代に後北条氏との抗争・同盟・離反を繰り返しながら、金山城は上野国の政治拠点として機能した。天正12年(1584年)には北条氏直の大軍(一説に5万)による大規模な包囲攻撃を受けたが、これを撃退した記録が残り、金山城の「難攻不落」の評名はこの勝利によって確立された。
しかし金山城は天正13年(1585年)に北条氏照へ明け渡されていたが、天正18年(1590年)の豊臣秀吉による小田原攻めに際し北条領の城として接収され、以後廃城となった。なお由良国繁は小田原城に抑留される一方、母・妙印尼らが秀吉方に加担したため由良氏は戦後も存続し常陸牛久に所領を安堵された。廃城後は石垣等の遺構が多くそのまま残され、現在は「金山城跡」として国指定史跡・日本100名城の一つに数えられ、太田市が整備する史跡公園として整備されている。城跡からは関東平野・浅間山・赤城山・榛名山などを一望できる雄大な眺望も魅力の一つである。
刀剣との関わり
金山城は上野国(こうずけのくに・現群馬県)に位置し、戦国時代の関東における刀剣産地・刀工文化との深い結びつきを持つ城郭である。 上野国は古来より日本刀の産地として知られ、「上野刀工(こうずけとうこう)」と総称される刀工群が活動した地域である。特に中世から近世にかけて、上野国には上野を本拠とする在地の刀鍛冶の活動が伝えられており、関東の武士階層の武装を支える在地の刀鍛冶が多数存在した。金山城の城下町・太田(現群馬県太田市)やその周辺地域は、戦国期の関東武士団が刀剣の調達・流通を行う拠点のひとつであった。 城主の由良氏は上野・武蔵・下野にまたがる有力国人領主であり、多数の武士を抱えた大豪族であった。このような大規模な武士団を維持するには大量の刀剣・槍・薙刀などの武具が必要であり、金山城の城主・城下の武具鍛冶・刀工との関係は密接であったと推定される。戦国期の関東では刀剣の需要が高く、各地の国人領主が刀工を城下に招いて武具生産を行わせた記録も多い。 また金山城を含む上野国は、戦国末期に武田信玄・上杉謙信・北条氏の三大勢力が激突した地域であり、戦場で用いられた刀剣の数量・種類ともに膨大であった。特に上杉謙信は「越後の刀剣」の愛好・収集家として知られ、謙信が上野・関東へ出兵した際に携行した刀剣群は越後刀工の逸品と伝わる。金山城はこうした関東争覇戦の最前線に位置した城として、戦場における日本刀使用・刀剣流通の歴史的文脈を体現する遺跡といえる。
見どころ
- 日ノ池・月ノ池 — 山城内に設けられた石垣造りの貯水池、関東最古級の石垣遺構
- 本丸・大手虎口 — 野面積みの石垣と枡形虎口が良好に残存する主要防衛ライン
- 南曲輪石垣 — 15世紀後半の関東最古・最大級の石垣遺構、東日本の城郭史を塗り替えた発見
- 関東平野・上毛三山の展望 — 本丸跡から赤城山・榛名山・妙義山・浅間山を一望
- 太田市立歴史館(金山麓) — 金山城・新田荘・由良氏に関する考古資料・出土品展示
- 新田義貞ゆかりの生品神社(太田市) — 金山城麓に位置する新田氏の旧跡、日本刀奉納の歴史も伝わる
※開館時間・入場料は変更される場合があります。訪問前に公式サイトをご確認ください。