※画像はイメージです。石川県立美術館(前田育徳会尊経閣文庫分館)
Ishikawa Prefectural Museum of Art (Maeda Ikutoku Foundation Sonkeikaku Library Branch)
概要
石川県立美術館は、1959年(昭和34年)に開館した石川県美術館を前身とし、1983年(昭和58年)に現在の建物で開館した石川県を代表する総合美術館であり、加賀藩前田家の遺産を核とする前田育徳会のコレクションを常設展示する「前田育徳会尊経閣文庫分館」を館内に擁することで、日本刀愛好家にとって極めて重要な訪問地となっている。
前田育徳会は、江戸時代を通じて加賀藩100万石を統治した前田家の第16代当主・前田利為が1926年(大正15年)に設立した財団法人(設立時の名は育徳財団)であり、前田家歴代が秘蔵した美術品・武具・文書類を今日まで管理・保存している。同コレクションには多数の国宝・重要文化財が含まれ、なかでも刀剣部門は日本最高峰のコレクションとして知られる。
国宝・天下五剣「大典太光世」
尊経閣文庫が所蔵する太刀「銘 光世作(名物大典太)」は、「天下五剣」の一振として名高い国宝刀剣の至宝である。筑後国三池の刀工・光世(三池光世)が平安時代後期(11世紀)に打ったとされるこの太刀は、霊力を持つ刀として前田家第一の重宝とされてきた。室町将軍・足利義昭から豊臣秀吉の手に渡り、のちに豊臣秀吉から加賀藩初代藩主・前田利家に贈られたと伝わる。以来、前田家の家宝として400年以上にわたり厳重に保管されてきた。
国宝「富田江」
同じく国宝指定の刀「無銘義弘(名物富田江)」は、南北朝時代の名工・越中国の郷義弘(ごうよしひろ、江義弘とも)の傑作として評価されている。豊臣秀吉の重臣・富田一白(とみたいっぱく)が所持したことに由来する「富田江」の号を持ち、1598年(慶長3年)に前田家へ移ったと伝わる。
重要文化財「前田藤四郎」
短刀「銘 吉光(名物前田藤四郎)」は、鎌倉時代の京都粟田口派の名工・藤四郎吉光(とうしろうよしみつ)の作とされる重要文化財。前田家の所蔵品として長く伝来した一振であり、吉光の短刀特有の鋭さと品格を今に伝える。
2024年(令和6年)3月26日から5月26日まで開かれた特別陳列「加賀藩前田家の名刀 -天下五剣の名宝「大典太光世」が石川に-」は北陸新幹線の県内全線開業を記念したもので、大典太光世・富田江・前田藤四郎の三振が57年ぶりに一堂に展示された。
前田育徳会尊経閣文庫分館では、前田育徳会の工芸品・絵画・文書などが展示替えをしながら公開され、刀剣も時期を限って展示される。前田家における意義から、大典太光世の展示は数年おきに限られている。
見どころ
- 国宝「太刀 銘 光世作(名物大典太光世)」— 天下五剣のひとつ
- 国宝「刀 無銘義弘(名物富田江)」— 前田家伝来の越中義弘作
- 重要文化財「短刀 銘 吉光(名物前田藤四郎)」— 粟田口吉光作
- 前田育徳会尊経閣文庫分館 — 加賀前田家に伝わる前田育徳会の名品を展示替えしながら公開
- 加賀百万石前田家の武具・甲冑コレクション
- 2024年57年ぶり三振同時公開で話題を呼んだ刀剣展示
※開館時間・展示内容は変更される場合があります。訪問前に公式サイトをご確認ください。