※画像はイメージです。厳島神社宝物館
Itsukushima Shrine Treasure Museum
概要
海に浮かぶ神域と奉納刀
厳島神社は瀬戸内海の宮島に鎮座する、全国に約500社ある厳島神社の総本社である。推古天皇元年(593年)の創建と伝えられ、現在の社殿は平安時代末期に平清盛によって大規模な造営が行われた。海上に浮かぶように建てられた朱塗りの社殿と大鳥居は、「日本三景」のひとつに数えられる絶景として世界的に知られ、1996年(平成8年)にはユネスコ世界文化遺産に登録された。宝物館には、平家一門・毛利家・広島藩主浅野家など歴代の権力者が奉納した刀剣・武具・絵巻・神宝類が収蔵されており、神社の長い歴史とその後援者たちの信仰を物語る貴重な文化財群を形成している。
奉納刀の歴史
厳島神社への刀剣奉納の歴史は古く、平安時代から武家・貴族・皇族による奉納が記録されている。特に重要なのは、平家滅亡後に残された「平家納経」と並び称される刀剣群であり、平清盛・重盛父子が造営した社殿の格式を示す神宝として今日まで伝えられている。毛利元就が厳島の戦い(1555年)に勝利した後に奉納したとされる刀剣も含まれており、中国地方の覇者として厳島神社を深く崇拝した毛利氏の信仰の厚さを今に伝える。江戸時代には広島藩主・浅野家による奉納が続き、刀剣・甲冑・馬具など武家の格式を示す品々が宝物館に加わった。
主要所蔵品
宝物館の代表的な所蔵品として、重要文化財指定の刀剣類が挙げられる。なかでも国宝「太刀 銘 友成作」は、平安時代末期の備前国・古備前派の名工・友成の作で、古雅な太刀姿と乱れ映りの立つ地鉄が備前刀の源流を伝える名品である。このほかにも平安〜室町時代にかけての古刀が複数含まれており、刀剣史上における厳島神社の重要性を示している。平家納経や厳島図などの絵巻・文書類と合わせて観覧することで、平安貴族文化と武家文化が交差する日本史の縮図を体験できる。
宮島観光との連携
厳島神社の参拝と宝物館の観覧は、宮島観光の核心をなす体験である。潮の満ち引きによって社殿の景観が劇的に変化し、満潮時には建物が海に浮かんでいるように見え、干潮時には大鳥居まで歩いて近づくことができる。宝物館はその境内に位置し、神社の神聖な空気の中で国宝・重要文化財を鑑賞できる稀有な環境を提供している。宮島口からのフェリーで約10分という好アクセスも魅力で、広島市内からの日帰り観光にも最適である。
見どころ
- 平家・毛利・浅野家奉納の刀剣群── 平安末期から江戸時代にわたる歴代権力者の奉納刀。厳島の戦い勝利後の毛利元就奉納刀を含む、日本史の重要場面と連動した刀剣コレクション
- 国宝「太刀 銘 友成作」── 平安末期の古備前派・友成の作。古雅な太刀姿と乱れ映りの立つ地鉄が備前刀の源流を伝える名品
- 平安〜室町期の古刀コレクション── 厳島神社に伝来する平安から室町時代の古刀群。刀剣史における厳島神社の重要性を示す名品群
- 平家納経との同一空間での鑑賞── 日本美術史上最高の装飾写経と同じ宝物館で、平安貴族文化と武家文化の交差点を体験できる
- 世界文化遺産の境内での観覧── 海上に浮かぶ朱塗りの社殿と大鳥居を背景に、日本の神社建築と刀剣文化の融合を体感できる唯一無二の環境
※開館時間・展示内容は変更される場合があります。訪問前に公式サイトをご確認ください。