※画像はイメージです。結城蔵美館
Yuki Kurabikan
概要
結城蔵美館は、茨城県結城市の中心市街に建つ蔵を活用した展示施設で、平成26年(2014年)5月24日に開館した。本蔵と袖蔵の二棟からなり、本蔵は新たな文化の発信の場として、袖蔵は結城の歴史・文化資料の収集展示の場として機能する。刀剣・武具の分野では、天下三名槍の一つ「御手杵の槍」の復元品を常時展示する館として知られる。
天下三名槍「御手杵」
御手杵は、日本号(へし切とも別系統の名槍)・蜻蛉切とともに「天下三名槍」に数えられた大身槍である。結城家の当主・結城晴朝の所用と伝えられ、以後、結城家を継いだ家系を通じて近代まで伝来した。穂先が長大であることで知られ、拵えを含めた総重量は約22.5キログラムに達したとされる。これは通常の槍を大きく超える重量であり、実戦での取り回しには並外れた膂力を要したことがうかがえる。
原品は近代に失われたため、現在見ることができるのは精密な復元品である。ただし復元品であるがゆえに、ガラス越しの鑑賞にとどまらず、重量・寸法という物理的スケールを実感として把握できる展示となっており、槍という武器が武家社会でどのような身体的条件を要求したかを理解するうえで価値が高い。日本刀と並ぶ武家の主要武器でありながら、実物を体感できる機会の乏しい「槍」に正面から向き合える点が、当館の刀剣史的な意義である。
結城家と結城の町
結城の地は、鎌倉期以来この地を本拠とした結城氏の城下として発展した。結城晴朝には実子がなく、豊臣秀吉の意向を受けて徳川家康の次男・秀康を養嗣子に迎えた。この結城秀康はのちに越前へ移り越前松平家の祖となる。結城の町は、関東の中世武士団が近世大名へと再編されていく過程を、地名と家系の両面から辿ることのできる土地である。
館の展示は、こうした結城氏の歴史と、結城紬に代表される地域の産業・文化を柱に構成される。市街には見世蔵や土蔵が今も点在し、蔵の町並みそのものが展示の延長として歩けることも当館の性格をなしている。入館は無料で、地域史の入口として開かれた運営がとられている。
見どころ
- 天下三名槍の一つ「御手杵の槍」の復元品を袖蔵2階に常設展示
- 総重量約22.5キログラムという大身槍の物理的スケールを実感として把握できる
- 結城晴朝所用と伝わり、原品は近代に失われたため現存するのは精密な復元品
- 結城晴朝は徳川家康次男・秀康を養嗣子に迎え、秀康は越前松平家の祖となった
- 本蔵・袖蔵の二棟構成。入館無料で、蔵の町並みそのものが展示の延長として歩ける
※開館時間・展示内容は変更される場合があります。訪問前に公式サイトをご確認ください。