※画像はイメージです。石上神宮宝物殿
Isonokami Jingū Treasure House
概要
石上神宮(いそのかみじんぐう)は、奈良県天理市に鎮座する日本最古の神社のひとつであり、日本の刀剣文化において最も根源的な意味を持つ聖地として他に類を見ない存在感を持つ。当社の宝物殿に収蔵・展示される刀剣類は、日本刀の歴史を語るうえで避けることのできない最重要の遺産を含む。
最大の収蔵品は国宝「七支刀(ななつさやのたち)」である。全長74.9cmの鉄製の刀で、刀身の両側に計6本の枝刃(側枝)が付いた特異な形状を持ち、369年(神功皇后摂政52年)に百済王世子から倭王に贈られたと『日本書紀』に記録される。この七支刀は日本と朝鮮半島の古代外交を物語る第一級の歴史資料であると同時に、日本における最古段階の金属製刀剣の姿を現代に伝える唯一の現存例として、国内外の刀剣研究者・歴史家が最重視する遺産である。
また、当社には「布都御魂剣(ふつのみたまのつるぎ)」「布都斯魂剣(ふつしみたまのつるぎ)」など、記紀神話に登場する神剣(神に由来するとされる剣)の霊体が鎮座するとされており、日本刀の精神的起源を探るうえで欠かすことのできない神聖な場所として位置づけられている。宝物殿では、七支刀のレプリカ(本物は非公開で社宝として厳重に保管)とともに、古墳時代から平安時代にかけての鉄剣・鉄刀類が展示されており、日本の刀剣文化の黎明期を体系的に学ぶことができる。
天理市は天理教の中心地であり、天理大学附属天理参考館(国際的な考古・民俗コレクション)、天理図書館(稀覯本・写本の宝庫)とも近く、学術的な刀剣研究の拠点エリアを形成している。石上神宮の境内には、神の使いとされる神鶏(放し飼いの鶏)が闊歩し、古代信仰の空気を今に伝える聖域として、日本刀の精神的故郷を体感するうえで比類ない場所である。
見どころ
- 国宝「七支刀」 — 369年に百済から贈られた六枝刃の古代鉄剣、日本に現存する最古級の刀剣遺産
- 日本刀の精神的起源 — 布都御魂剣・布都斯魂剣など記紀神話の神剣が鎮座する刀剣文化の聖地
- 古墳〜平安期の鉄剣展示 — 日本刀文化の黎明期を体系的に学べる、唯一に近い展示環境
- 日本最古の神社の一つ — 2世紀以前の創祀とも言われる日本最古の神社で刀剣の起源に触れる
- 七支刀レプリカの公開 — 厳重保管される本物の代わりに精密レプリカで細部まで観察可能
- 天理大学・天理図書館との学術連携エリア — 日本刀の学術研究に最適な天理市知的拠点の中心
※開館時間・展示内容は変更される場合があります。訪問前に公式サイトをご確認ください。