※画像はイメージです。大覚寺霊宝館
Daikaku-ji Reihokan (Treasure Hall)
概要
大覚寺(だいかくじ)は、京都市右京区嵯峨に位置する真言宗大覚寺派の大本山であり、嵯峨天皇の離宮「嵯峨院」を起源とする。876年(貞観18年)に嵯峨天皇の孫・恒寂入道親王が寺院として開創した「旧嵯峨御所」として知られ、皇室との縁が深い門跡寺院である。霊宝館には嵯峨・後嵯峨天皇ゆかりの多数の文化財が収蔵されており、日本刀の世界では源氏の重宝「薄緑(膝丸)」の所蔵寺院として特別な位置を占める。
所蔵刀剣:太刀「薄緑(膝丸)」
大覚寺が所蔵する最重要の刀剣は、重要文化財「太刀 銘 □忠(名物 薄緑〈膝丸〉)」である。古備前派の作とされ、鎌倉時代13世紀の制作と推定される。
来歴と伝承 — 源満仲が武蔵坊弁慶・渡辺綱らに命じ、二振りの霊剣として「鬚切(ひげきり)」と「膝丸(ひざまる)」を作らせたと伝わる。源義経が所持した際に「薄緑(うすみどり)」と改名されたとされ、以来「薄緑(膝丸)」の二名を持つ。源氏の重宝として代々受け継がれた後、大覚寺に伝来した。兄弟刀の「鬚切(髭切、鬼切丸)」は北野天満宮に伝わる重要文化財「髭切」に対応する(北野天満宮所蔵)。
公開状況 — 薄緑(膝丸)は常設展示ではなく、大覚寺の秋季名宝展や特別展の機会に霊宝館で公開される。東京国立博物館・京都国立博物館への出展も行われており(2024〜2025年の大覚寺展等)、公開日程は事前に公式サイトで要確認。
霊宝館の収蔵品
大覚寺霊宝館には薄緑(膝丸)のほか、嵯峨天皇宸翰(重要文化財)・後宇多天皇宸翰など多数の国宝・重要文化財が収蔵される。五大明王図(国宝)をはじめとする密教絵画の名品も多く、日本絵画史上重要な寺院コレクションを形成している。
嵯峨・嵐山との周遊
大覚寺は嵯峨嵐山観光の代表的な拝観施設であり、隣接する大沢池(日本最古の人工池の一つ)の観月の夕べ(中秋の名月)や桜・紅葉の名所としても知られる。渡月橋・天龍寺・竹林の小径との周遊コースに組み込まれることが多く、年間を通じて多数の拝観者が訪れる。
アクセス
京都市バス91系統・28系統「大覚寺」下車、徒歩約2分。JR嵯峨嵐山駅から徒歩約20分。拝観時間9:00〜17:00(受付16:30まで)、拝観料は大人800円・小中高生400円。
見どころ
- 重要文化財「太刀 薄緑(膝丸)」 — 源義経所持と伝わる源氏の霊剣。秋季名宝展・特別展で公開(常設展示なし)
- 北野天満宮「髭切」との源氏兄弟刀 — 両社寺での同時公開や相互展示が実現されることがある稀有な一対の名刀
- 旧嵯峨御所・皇室ゆかりの門跡寺院 — 嵯峨天皇を起源に持ち、国宝・重要文化財を多数収蔵する門跡寺院の霊宝館
- 嵯峨嵐山観光の中核施設 — 渡月橋・天龍寺・大沢池と組み合わせた嵯峨野の古寺文化を体験
- 大沢池の観月・桜・紅葉 — 嵯峨天皇が造営した日本最古の人工池のひとつ、四季の名勝として賑わう
※開館時間・展示内容は変更される場合があります。訪問前に公式サイトをご確認ください。