※画像はイメージです。出雲大社 宝物殿(神祜殿)
Izumo Taisha Shinkoden Treasure Hall
概要
出雲大社宝物殿(神祜殿・しんこでん)は、日本最古の神社のひとつである出雲大社の境内に設けられた宝物殿であり、1981年(昭和56年)に建築家・菊竹清訓の設計で竣工して以来、社伝来の国宝・重要文化財を含む神宝・奉納品を展示・公開している施設である。「平成の大遷宮」を記念した改修を経て2017年(平成29年)11月にリニューアルオープンし、2000年(平成12年)に境内から出土した古代本殿の心御柱なども展示している。「神祜」は「神の助け」「神から幸を授かる」という意味を持ち、出雲大社の祭神・大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)への信仰と深く結びついた品々が一堂に展示されている。
国宝「秋野鹿蒔絵手箱」(あきののしかまきえてばこ)
神祜殿が誇る最重要の収蔵品は、鎌倉時代初期に制作されたと推定される国宝「秋野鹿蒔絵手箱」(1952年〈昭和27年〉3月29日指定)である。秋の野を駆ける鹿の意匠を蒔絵技法で精緻に描き出したこの手箱は、鎌倉初期の蒔絵技術の粋を体現する工芸品として高く評価されている。出雲大社に古来奉納されてきた神宝の中でも特別な地位を占め、日本漆芸史における重要な実例として研究者の注目を集めている。
刀剣・武具コレクション
出雲大社には武将らが太刀・甲冑などを奉納しており、豊臣秀頼が寄進した鎌倉時代中期の「太刀 銘光忠(附 糸巻太刀拵)」と、室町時代の「赤絲威肩白鎧(兜・大袖付)」は国の重要文化財に指定されている。慶長17年(1612年)に作られ寄進された鉄砲(附 銃箱)は島根県指定文化財である。
古文書・神器類
出雲大社には、1164年(長寛2年)から明治にかけての「出雲大社文書」(島根県指定文化財)や、後醍醐天皇の綸旨、「宝治二年遷宮儀式注進状」(いずれも重要文化財)など、祭祀・造営の歴史を伝える古文書も伝わる。
境内と参拝との一体的な体験
神祜殿は出雲大社の境内参拝と一体的に訪問できる点が大きな魅力である。延享元年(1744年)造営の出雲大社本殿(国宝)、神楽殿の大注連縄、荒垣内の摂末社群など、宗教的・建築的見どころと組み合わせて神宝・刀剣を鑑賞することで、単独の美術館では得られない文化的体験を提供している。出雲市内には島根県立古代出雲歴史博物館(隣接)や出雲文化伝承館など関連施設も多く、日本刀・古代史愛好家にとって充実した見学ルートを形成している。
見どころ
- 国宝「秋野鹿蒔絵手箱」— 鎌倉時代初期の蒔絵の手箱
- 重要文化財の「太刀 銘光忠」(豊臣秀頼寄進)・「赤絲威肩白鎧」などの奉納品
- 古代本殿の心御柱 — 2000年に境内から出土した柱などを展示
- 出雲大社本殿(国宝)・境内全体との一体的な鑑賞体験
- 島根県立古代出雲歴史博物館(隣接)との連携見学が可能
- 後醍醐天皇の綸旨(重要文化財)や「出雲大社文書」(島根県指定文化財)などの古文書が伝わる
※開館時間・展示内容は変更される場合があります。訪問前に公式サイトをご確認ください。