※画像はイメージです。一関市博物館
Ichinoseki City Museum
概要
一関市博物館は、1984年(昭和59年)に博物館建設基金条例が施行されたことを起点に整備が進められ、1997年(平成9年)10月10日に開館した。設計は株式会社山下設計が手がけ、延床面積3,255平方メートルの施設として、岩手県一関市厳美町、厳美渓に近い高台に建つ。
舞草刀と舞草鍛冶
当館が公立博物館のなかでもとりわけ日本刀に力を注いできたのは、一関周辺が「舞草鍛冶」の本拠地であったことによる。舞草鍛冶は現存最古級の刀剣製作集団の一つとされ、彼らが鍛えた舞草刀は、平安期に完成した日本刀の成立と発展を語るうえで欠かすことのできない存在として位置づけられている。常設展示には「舞草刀と刀剣[日本刀の源流]」と題するコーナーが設けられ、館所蔵の太刀銘「舞草」をはじめ、山城大掾藤原国包銘の刀(仙台藩刀工)、幕末期の一関士宗明銘の刀(元治元年)など、古代から近世に至る奥州刀の系譜を通覧できる構成をとる。
重要美術品「刀 額銘 建武 宝寿」
収蔵品中もっとも著名なのが、重要美術品に指定された「刀 額銘 建武 宝寿」である。南北朝時代の作で、刃長70.3センチ、反り1.9センチ。もとは三尺近い豪刀であったとみられるが、後世に茎を短く磨り上げる「大磨上」が施され、新たな茎に元の年紀銘「建武」と作者銘「宝寿」が額銘として嵌め込まれている。身幅広く鋒の延びた南北朝期の姿を保ち、地鉄・刃文には奥州刀特有の作風がうかがえる。宝寿は室町時代まで数代続いた工房で、その父にあたる文寿は源氏重代の宝刀「髭切」の作者と伝わる家系である。
大槻家関係資料の国重文指定
2023年6月27日には、一関市が所蔵し当館が保管する蘭学者大槻家伝来の「大槻家関係資料」4,048点(著述稿本類415点、文書・記録類2,859点ほか)が国の重要文化財に指定され、刀剣以外の分野でも一関の学問的蓄積を示す資料群として評価を高めている。
アクセス・開館状況
JR一ノ関駅からタクシーで約15分、またはバスで「厳美渓」停留所下車徒歩約2分。開館時間は9:00〜17:00(入館は16:30まで)、月曜休館(祝日の場合は翌日)。入館料は一般300円、高校生・大学生200円、小中学生無料。
見どころ
- 公立博物館の中でも屈指の日本刀専門展示。「舞草刀と刀剣[日本刀の源流]」常設コーナーを設置
- 舞草鍛冶は現存最古級の刀剣製作集団の一つ。舞草刀は日本刀の成立と発展を語るうえで欠かせない存在
- 重要美術品「刀 額銘 建武 宝寿」を所蔵。南北朝時代の大磨上げ刀で、宝寿の作風変遷を伝える貴重な作例
- 山城大掾藤原国包銘(仙台藩)、一関士宗明銘(幕末)など、古代から近世まで奥州刀の系譜を通覧できる
- 2023年、蘭学者大槻家伝来「大槻家関係資料」4,048点が国重要文化財に指定
※開館時間・展示内容は変更される場合があります。訪問前に公式サイトをご確認ください。