※画像はイメージです。江戸時代初期1612?-1679?
田宮平兵衛
Tamiya Heibei
田宮流居合術の開祖・居合道の基礎を築いた剣客
解説
田宮平兵衛(生没年不詳、17世紀前半-後半に活躍)は、「田宮流居合術」の開祖として知られる江戸時代の剣客であり、居合道(刀を鞘から瞬時に抜いて斬る技術体系)の発展に多大な貢献をした人物である。夢想神伝流・無双直伝英信流と並んで、現代居合道の三大源流の一つとされる田宮流を確立した。
平兵衛の出身・経歴については不明な点が多いが、林崎甚助重信(居合術の中興の祖)の流れを受けた「林崎夢想流」を学んだ後、独自の改良・発展を加えて田宮流を開いたとされる。田宮流の特徴は実践的・合理的な居合術にあり、刀を鞘から抜く動作(抜刀)・斬る動作・血振り・納刀の一連の動作を流れるように体系化した点が特筆される。
田宮流は江戸時代を通じて広く普及し、特に江戸を中心とした東日本において多くの門弟を輩出した。薩摩藩・紀州藩など有力大名家にも田宮流が伝わり、各地で独自の発展を遂げた。現在も「田宮流居合術」として複数の流派が全国で継承されており、公益財団法人全日本居合道連盟が認定する形(型)の多くに田宮流の技法が取り入れられている。
居合の世界において「田宮流あり」とは、実践的な抜刀術の体系として確立された居合道の一大流派を意味する言葉として定着している。日本刀の特性を最大限に活かした「居合一刀」(一瞬の抜刀による一刀両断)の思想は、日本刀の実用美学を体現するものとして、現代の居合道家に受け継がれている。
所持した刀剣
- 田宮流正伝の居合刀(打刀)
- 田宮平兵衛愛用の抜刀刀