※画像はイメージです。鈴木重信
Suzuki Shigenobu
神道夢想流杖術の開祖・杖道の源流を作った武道家
解説
夢想権之助勝吉(むそうごんのすけかつよし、生没年不詳、17世紀前半に活躍)は、「神道夢想流杖術」の開祖として知られる武道家であり、木製の棒「杖(じょう)」を用いた武術体系を確立した人物である。現代「杖道」の源流として、現在も全日本剣道連盟が公認する武道として世界中で稽古されている。
夢想権之助は筑前国(現在の福岡県)の出身とも肥後国(熊本県)出身とも伝えられる。若い頃から剣術・棒術を修め、夢告(夢の中での神のお告げ)によって杖術の秘伝を授かったとされる。この神授体験が「神道夢想流」の名称の由来である。夢想権之助が確立した杖術は、刀剣を持った相手に対して4尺2寸(約127cm)の木製の杖で対応する技術体系であり、間合い・体捌き・打ち・突きを組み合わせた独自の形(型)を持つ。
夢想権之助の生涯における最大の伝説は、宮本武蔵との試合にまつわるものである。夢想権之助が武蔵と試合い、杖で武蔵の剣を制したという伝説が残っているが、史料的な裏付けは乏しく、一種の口伝として受け継がれている。しかしこの伝説は、杖(徒手に近い武器)が刀剣に対抗し得るという神道夢想流の思想を象徴的に示すものとして重要である。
神道夢想流は後に福岡藩(黒田藩)の御流儀として採用され、明治時代まで藩の武術として継承された。明治以降は白石範次郎が門人を育成し、清水隆次が上京して神道夢想流を再興・普及させ、現代杖道として大日本武徳会・全日本剣道連盟の公認武道に組み入れられた。現在も国内外で多くの修行者が稽古しており、日本刀に対応する武道として独自の発展を続けている。
所持した刀剣
- 神道夢想流正伝の杖(4尺2寸)
- 鈴木重信の剣術修行刀