筑前伝・九州古典派古刀
西蓮
Sairen
解説
出自・法号
西蓮(さいれん)は、俗名を国吉(くによし)といい、鎌倉時代後期に筑前国(現在の福岡県)で活動した刀工である。出家して法号「西蓮」を称した。
系譜
実阿(じつあ)の父であり、筑前から相模国に移り左文字(さもんじ)の祖となった刀工の祖父にあたる。九州における刀工系譜の中でも重要な位置を占める。
博多談議所と活動
文永・弘安の役(蒙古襲来)の後、北部九州の防衛力強化を目的として設置された博多談議所に属し、作刀にあたった。銘には「筑前博多談議所国吉法師西蓮」のように出身地・法号を長く刻んだものが知られ、文保元年(1317)の年紀を入れた作も現存する。薙刀の名手としても知られる。
作風
太刀姿には古格が漂い、地鉄は板目がよく詰んで流れごころを見せ、刃文は直刃を基調として匂口がうるむ、九州古典派特有の古雅な趣を伝える。
評価
実阿・左文字へと続く筑前刀工系譜の起点として位置づけられ、九州刀剣史における重要な存在として今日に伝わる。