※画像はイメージです。太刀重要文化財
太刀 銘 大和則長作
Tachi Signed Yamato Norinaga saku
別名: 尻懸則長の太刀・談山神社旧蔵・明治天皇献上刀
解説
大和五派・尻懸派の祖の在銘作
鎌倉時代の大和国(現在の奈良県)には、千手院・当麻・尻懸・保昌・手掻の五派が興り、あわせて大和五派と呼ばれた。いずれも南都の大寺社に属する僧兵の需要を背景に発展した鍛冶集団である。本作の作者・則長は、そのうち尻懸派の事実上の祖と位置づけられる刀工で、文保3年(1319年)や暦応3年(1340年)の年紀を持つ作が伝わっている。
太刀 銘 大和則長作は刃長73.3センチメートル。鎬が高く鎬幅が広い、大和伝らしい頑健な造り込みを示す。刃文は直刃を基調としながら小互の目を交え、部分的に飛焼が現れる。実用に徹した大和物の中でも、地刃の出来が優れた一口として評価が高い。
来歴
もとは大和国の談山神社(奈良県桜井市)に伝来した。明治18年(1885年)、同社から明治天皇に献上されたことが記録されており、その後所蔵が移って、現在は兵庫県西宮市の公益財団法人黒川古文化研究所が所蔵している。
指定
重要文化財(工芸品)に指定されている。在銘の則長作は数が限られ、しかも大和五派の中で尻懸派は現存作がとりわけ少ないため、本作は大和伝の作風を検証するうえでの基準作の一つとされる。
逸話・伝説
大和国の談山神社に長く納められていた太刀で、明治18年(1885年)に同社から明治天皇へ献上されたと記録される。藤原鎌足を祀る古社から近代の天皇へと手渡された経緯が、この一振りに独特の来歴を与えている。