※画像はイメージです。隅谷正峯の太刀
Tachi by Sumitani Masamine
別名: 伊勢神宮式年遷宮御神宝太刀・賜剣の儀の守り刀・隅谷丁子・人間国宝
解説
人間国宝としての認定
隅谷正峯(1921〜1998年)は石川県松任市(現・白山市)出身の刀匠で、1981年(昭和56年)4月3日、日本刀の製作技術により重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定された。鎌倉時代の備前刀を範とし、「隅谷丁子」と呼ばれる華麗な丁子刃文を完成させたことで知られる。
伊勢神宮式年遷宮御神宝太刀
正峯の代表的な仕事の一つが、1989年(平成元年)の伊勢神宮式年遷宮に際して製作した御神宝太刀である。式年遷宮は二十年に一度、神宮の御装束・神宝一式を新調する神事であり、その太刀の製作を任されることは現代刀匠にとって最高の栄誉の一つとされる。
賜剣の儀への奉仕
正峯はまた皇室の賜剣の儀にも作品を提供したと伝わり、1991年(平成3年)の眞子内親王、1994年(平成6年)の佳子内親王への誕生を祝う守り刀が正峯の手になるものであったとされる。賜剣の儀は皇室で子女の誕生を祝う伝統儀礼であり、その守り刀を任されることは刀工としての技量と信頼の証である。
受賞歴と現在の評価
正峯は昭和40年代に、新作刀に与えられる最高賞「正宗賞」を3度受賞している。神宮に奉納された神宝を除き、作品は個人蔵・美術館収蔵品として各地に伝わり、現代刀匠として備前伝を高い水準で再興した功績は日本刀史において高く評価されている。
逸話・伝説
二十年に一度の神宮式年遷宮という国家的な神事に御神宝太刀の製作者として選ばれることは、現代の刀匠にとって最高の栄誉である。正峯はこの重責を果たしたのち、皇室の慶事にもたびたびその技を捧げたと伝わり、鎌倉期の備前刀の美を現代に甦らせた技量が、伝統儀礼の場でも重んじられたことを物語っている。