※画像はイメージです。太刀重要無形文化財保持者(人間国宝)作品
天田昭次の太刀
Tachi by Amata Akitsugu
別名: 玉纏御太刀・須賀利御太刀・伊勢神宮式年遷宮御太刀・人間国宝
解説
人間国宝・天田昭次
天田昭次(1927〜2013年)は新潟県出身の刀匠で、1997年(平成9年)に重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定された。山城伝・相州伝・備前伝と、作風の異なる三度の正宗賞受賞を果たした稀有な刀工であり、それぞれ異なる伝法を高い水準で修めた技量の証とされる。
伊勢神宮式年遷宮への奉仕
天田は伊勢神宮式年遷宮の御神宝太刀の製作に、助手として1回、刀匠として3回、通算4回にわたり携わったと伝わる。4回目の奉仕では「玉纏御太刀(たままきのおんたち)」と「須賀利御太刀(すがりのおんたち)」の製作を担当したとされる。式年遷宮は二十年に一度、神宮の御装束・神宝一式を新調して大御神に捧げる神事であり、その御太刀の製作は現代刀匠にとって最高の栄誉の一つである。
作風
大和伝を中心としながら、山城伝・相州伝・備前伝の技法も修め、地鉄の美しさを追求した作風で知られる。古刀の地鉄美の再現を生涯の研究課題とし、地鉄研究にも力を注いだ。
現所蔵
伊勢神宮に奉納された神宝は非公開が原則であり、天田の一般作品は個人蔵・美術館収蔵品として各地に伝わる。三度の正宗賞受賞と人間国宝認定は、現代刀匠としての天田の評価を象徴するものである。
逸話・伝説
山城伝・相州伝・備前伝という作風の異なる三度の正宗賞受賞は、一人の刀工が生涯に複数の伝法を極めることの難しさを物語る。伊勢神宮式年遷宮に4度にわたり奉仕し、最後には玉纏御太刀・須賀利御太刀という重要な神宝の製作を任されたことは、天田が刀工として到達した信頼の高さを示す逸話として伝えられている。