※画像はイメージです。太刀重要文化財
備前国長船住近景
Bizen-no-kuni Osafune-jū Chikakage
別名: 太刀 銘 備前国長船住近景 建武二年五月日・東京富士美術館の太刀
解説
長船派初期を担った近景
近景は、備前長船派の祖・光忠、その子とされる長光らに連なる長船派初期の刀工。本作「太刀 銘 備前国長船住近景 建武二年五月日」は建武二年(1335年)、南北朝時代の初頭にあたる年紀を持ち、1950年(昭和25年)に重要文化財へ指定された。
作風
刃長79.2センチ、反り2.2センチ。身幅が広く堂々とした太刀姿を示すが、後世にやや磨上げられている。地鉄はよく詰んだ板目肌に杢目が交じり、刃文は直刃調の小丁字に直足が入る。長船派初期の作にみられる質実剛健な作風を伝え、鎌倉後期の武士団の気風を反映した一口と評される。
伝来
近年まで細川護貞(旧熊本藩主家・細川家)の旧蔵品であったと伝えられ、現在は東京都八王子市の東京富士美術館が所蔵・公開する。
位置づけ
長船派は光忠・長光を祖として鎌倉後期から南北朝期にかけて備前刀の主流を形成した一門で、近景はその草創期を担った刀工の一人に数えられる。年紀の明確な在銘作は同派初期の作風・年代観を裏付ける基準作として重要視される。