短刀国宝
短刀 銘備州長船住長重
Tanto Signed Bishū Osafune-jū Nagashige
別名: 甲戌,長船長重
解説
「短刀 銘備州長船住長重」は、備前長船の長義一門に属した刀工・長重が南北朝時代の建武元年(干支は甲戌)に鍛えた短刀で、国宝に指定されている。刃長26.0センチ、元幅2.5センチ。相州伝の技法を色濃く映した出来映えを示し、地刃の冴えから「相州伝の最高の技を示した傑作」と評される一振りである。 来歴としては、豊臣秀吉に仕えた本阿弥家初代・光徳の指料(鑑定の際に手元に置いた指標的な一振り)であったと伝えられている。刀身に付属する拵は江戸時代初期に誂えられたもので、長らく大切に保存されてきたことをうかがわせる。 1953年(昭和28年)11月14日に国宝指定を受け、現在は個人の所蔵として伝わっている。長義一門の作でありながら、南北朝期の備前刀にあって相州伝の影響を色濃く示す点で、備前・相州両伝の交流を物語る資料としても注目される。
逸話・伝説
本阿弥家初代・本阿弥光徳の指料であったと伝えられ、豊臣秀吉に近侍した名鑑定家の目利きを物語る一振りとされる。