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※画像はイメージです。日本刀を海外に輸出する場合、以下の三つの法的関門を順に通過する必要がある。
これらは順番が重要であり、手順を誤ると手続きがやり直しになるため、事前に全体の流れを把握しておくことが不可欠だ。なお、外国為替及び外国貿易法(外為法)・輸出貿易管理令に基づく経済産業省(METI)への輸出許可申請は、美術品に該当しない刀剣類向けの別制度であり、登録証付きの美術刀剣を輸出する際の主手続きではない。
登録証を持つ美術刀剣の輸出では、文化庁が発行する「古美術品輸出鑑査証明書」の取得が主たる手続きとなる。文化財保護法に基づき、一定の評価額以上の刀剣類は文化庁の鑑査を経なければ輸出できない。
手続きの流れは以下の通り。
重要な注意点:国宝・重要文化財・重要美術品に指定された刀剣は原則として輸出禁止であり、鑑査証明の対象外となる。
日本国内で所持する日本刀には銃砲刀剣類登録証(以下「登録証」)が付属している。これは都道府県の教育委員会が発行するもので、日本国内での合法的な所持を証明する書類だ。
輸出に際しては、登録証は刀に添付して輸出し、輸出後に都道府県教育委員会へ返却するのが正しい手続きである。手続きの流れは以下の通り。
重要な注意点:登録証は日本国内における所持適法性の証明書であるため、刀剣が国外に出た後は不要となる。再び日本国内に持ち込む際には再登録手続きが必要となる。
日本刀を輸出する際には関税番号(HSコード: Harmonized System Code)の確認が必要だ。日本刀(刀剣)の主なHSコードは以下の通り。
| 区分 | HSコード | 備考 |
|---|---|---|
| 刀剣(美術品・アンティーク) | 9706.00 | 100年以上経過のアンティーク |
| 刀剣(工芸品・装飾品) | 9701〜9705 | 美術・収集品カテゴリ |
| 刀剣(一般武器) | 9307.00 | スポーツ・儀礼用刃物 |
アンティーク(100年以上経過)として申告できる古刀は、輸入国によって関税が免除または軽減される場合がある。ただし輸入国の税関が「武器」と判断した場合は関税率が大きく変わるため、輸入代理業者との事前確認が重要だ。
日本刀の輸出において見落とされがちなのがワシントン条約(CITES: 絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約)への対応だ。
日本刀本体(鋼の刀身)はCITESの規制対象外だが、刀の付属品(拵え)に規制対象素材が使用されている場合は輸出に際してCITES証明書が必要となる。
日本刀の柄(つか)には伝統的に鮫皮(さめがわ)が使用される。「鮫皮」と称されるが、実際にはエイ(アカエイ属等)の皮を使用することが多い。エイの一部の種はCITES付属書IIに掲載されており、商業的な国際取引に許可証が必要となる。
具体的に確認すべきポイント:
江戸時代以前の刀剣では柄頭や鍔の装飾に象牙が使用されている場合がある。象牙はCITES付属書Iに掲載されており、商業目的の国際取引は原則禁止だ。骨董品扱いで輸出できるケースもあるが、証明書の取得が必要となる。
また鯨骨(くじらぼね)を使用した刀装具も同様にCITESの規制を受ける可能性がある。
日本における CITES 証明書は環境省(自然環境局野生生物課)が発行機関となる。申請には素材の種類・数量・原産地・輸出先情報が必要で、審査には数週間を要することがある。
以下を事前に確認することで、手続きの遅延やトラブルを防ぐことができる。
日本刀の海外輸出は手続きが複雑だが、順序を正しく踏めば合法的に完遂できる。専門の刀剣輸出業者や税関アドバイザーのサポートを活用することで、確実かつ迅速に手続きを進めることができる。
日本刀×日本文化体験
観光スポットと刀剣文化をつなぐ多言語展開。