※画像はイメージです。室町時代後期1387-1488
飯篠長威斎
Iizasa Chōisai
天真正伝神道流の開祖・日本最古の剣術流派を創始
解説
飯篠長威斎(1387-1488)は、下総国(現在の千葉県)香取神宮の神域に程近い地に生まれ、「天真正伝神道流(香取神道流)」を開いた伝説的な兵法家であり、現存する日本最古の武術流派の創始者として知られる。その長寿は102歳とも伝えられ、神域での厳しい修行の末に神がかりの剣術を会得したとされる。
長威斎は武将として関東各地の戦乱に従軍した後、50歳を過ぎてから香取神宮の神域で1,000日間の修行に入ったとされる。この修行中に香取大神(武神・経津主神)のお告げを受け、剣術の奥義を授かったという。この神授の体験が「天真正伝神道流」の名称の由来であり、剣術が単なる戦闘技術を超えた神道的精神性と結びついたことを示している。
天真正伝神道流は剣術のみならず、槍術・薙刀術・柔術・手裏剣術・弓術・兵法学など、武術のあらゆる面を体系化した「総合兵法」として確立された。現在も千葉県成田市の香取神宮近くに道場を構え、UNESCO無形文化遺産への登録を求める動きもある現存最古の武術流派として世界から注目されている。
長威斎の門流からは松本備前守をはじめとする剣客が出て、後の鹿島・香取系の剣術諸流に大きな影響を与えた。これらの弟子たちが形成した諸流派は、やがて日本剣術の主要な流れを作ることになり、長威斎は「日本剣術の祖」として尊崇されている。刀剣との関わりでは、神道流の基本姿勢として刀を神具として扱い、剣の道の精神性を重んじる伝統が今に受け継がれている。
所持した刀剣
- 香取神道流正伝の太刀(香取神宮奉納刀)
- 飯篠長威斎の修行刀