備前伝新々刀
横山祐包
Yokoyama Sukekane
解説
横山祐包(よこやますけかね)は、天保年間から明治時代初期にかけて備前国長船で活躍した刀工で、横山祐永門下の新々刀期を代表する備前伝刀工の一人である。備前長船の伝統を近世に伝えた横山一門の中心的存在として知られる。
出自と師系
祐包はもと吉永郡福田村(現・岡山県備前市福田)の森俊吉郎の二男として生まれ、俊左衛門と称した。後に横山祐永の養子となって横山家に入り、家業を継承したと伝わる。銘には「友成五十八代孫」を切り、備前長船の系譜を継ぐ格式を示している。
作風
師である祐永の作風を継承し、小模様で詰んだ匂出来の華やかな丁子乱れを特色とする。姿はやや細身で、装飾性の高い刃文構成を得意とした。
門人
祐包の門下からは、後に刀工として初めて帝室技芸員に任じられた宮本包則(みやもとかねのり)が出ている。包則は嘉永4年(1851年)、22歳で長船の祐包のもとに入門し、7年間の修行を積んだ後に郷里へ戻ったと伝わる。
評価
慶応・明治初期にかけての紀年銘作が現存し、廃刀令直前の貴重な遺品として今日の刀剣美術館・専門店で確認されている。祐包は横山一門の技術を次代の帝室技芸員へとつなぐ重要な結節点として位置づけられる。