※画像はイメージです。相州伝(小田原系)新刀
伊勢大掾綱広
Ise Daijō Tsunahiro
解説
伊勢大掾綱広(いせだいじょうつなひろ)は、相州伝小田原系の綱広派五代目に相当する江戸時代中期の刀工で、万治3年(1660年)に伊勢大掾の受領名を受けた。綱広一族は鎌倉から小田原へ移り、後北条氏の保護下で小田原鍛冶を確立した初代以来、明治時代まで代々続いた相州系の長寿刀工系統である。
系統と経歴
初代綱広は戦国時代に鎌倉から小田原へ移住し、後北条氏の庇護を受けて小田原鍛冶の礎を築いた。二代は徳川家康に抱えられ、以後は江戸幕府との関係を維持しながら相州伝の伝統を継承した。五代伊勢大掾が最も高い技術評価を受けた。
作風
五代の作風は、踏ん張りがあって先反りのある体配を特徴とし、刃文は湾れ乱(のたれみだれ)や沸出来の互の目乱を焼き、焼きの谷には荒沸(あらにえ)が見られ、相州伝らしい沸の景色を持つ。刀剣ワールド財団所蔵の「刀 銘 相州住伊勢大掾源綱広」(保存刀剣)は代表的な現存作例として知られる。
評価
相州伝の血脈を江戸時代を通じて維持したという点で、綱広一族は日本刀史において重要な位置を占める。五代伊勢大掾は綱広一族中で最も技術力が高いと伝えられ、その作品は相州新刀を代表するものとして現在も高く評価される。
代表作
- 刀 銘 相州住伊勢大掾源綱広(保存刀剣・刀剣ワールド財団蔵)