太秦ライムライト
Uzumasa Limelight
落合賢監督による2014年の日本映画。撮影所の街・太秦を舞台に、殺陣で斬られ役を務める「斬られ役」俳優の生涯を描き、日本刀を用いた時代劇の殺陣文化の消えゆく姿を描いた作品。
解説
概要
『太秦ライムライト』は、落合賢監督による2014年の日本映画。脚本・プロデュースは小野広之。京都・太秦の撮影所を舞台に、日本映画の時代劇(チャンバラ映画)を支えてきた「斬られ役」の世界を描く。ニューヨーク・アジア映画祭/ジャパン・カッツ2014で上映された。
あらすじと登場人物
主人公・神山(演: 福本清三)は、55年にわたり時代劇で「斬られ役」を務め、劇中で約5万回斬られてきたという設定の熟練俳優。CG合成による殺陣が主流になりつつある斜陽の時代劇業界の中で、若手女優・皐月(演: 山本千尋)に本物の殺陣(タテ)の技術を伝えようとする師弟関係が軸となる。
日本刀と殺陣文化
本作の中心テーマは、日本刀を用いた「殺陣(タテ)」という舞台演技術そのものである。斬られ役は主役が振るう刀に「斬られる」演技を専門とする俳優であり、実際の刀ではなく模擬刀(殺陣刀)を用いて呼吸・間合い・受け身を精緻に作り上げる。劇中では、この専門技能が武術としての剣術とは異なる、映像表現のための独自の身体技法であることが強調される。
モデルとなった実在の俳優
主演の福本清三は実在の斬られ役俳優であり、東映京都撮影所で55年間にわたり数万本の時代劇に出演し、実際に生涯で約5万回「斬られた」とされる。本作のストーリーは福本自身の経歴を5〜6割程度反映しているとされる。
文化的背景・評価
太秦は東映京都撮影所を中心に日本の時代劇・チャンバラ映画を支えてきた「日本のハリウッド」と呼ばれる撮影所の街であり、本作はその斜陽と、CG技術の台頭によって斬られ役という職能そのものが失われつつある現状を題材にしている。チャップリンの『ライムライト』を下敷きにした邦題が示す通り、老いた芸能者と若い後継者の師弟関係を通じて、日本刀を用いた身体表現の伝統をいかに継承するかを問う作品として、海外映画祭でも紹介された。
登場する実在の刀剣
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