※画像はイメージです。だて歴史文化ミュージアム
Date City Museum of History and Culture
概要
北海道に移住した武家「亘理伊達家」の博物館
だて歴史文化ミュージアムは、北海道伊達市が2019年(平成31年)4月3日に開館した公立博物館である。老朽化した伊達市開拓記念館(1958年開館)と宮尾登美子文学記念館を統合する後継施設として建設され、延床面積は約1,500平方メートル。専門分野は縄文文化・続縄文文化、アイヌ文化、そして亘理伊達家の三つで、伊達市に受け継がれてきた文化財を一体的に展示・活用する施設として運営されている。市名の由来でもある亘理伊達家は、宮城県亘理から北海道有珠郡へ集団移住した武家であり、この地に武家文化をそのまま持ち込んだ点で全国的にも特異な来歴を持つ。
亘理伊達家がもたらした武具・甲冑・刀剣
当館の武家部門の中心は、亘理伊達家が移住とともに携えてきた武具・甲冑・刀剣、および家臣団関係資料である。仙台藩の一門として続いた亘理伊達家の武具が、明治期の北海道開拓地に移されたうえで散逸せず伝わっている点に資料的価値がある。所蔵の甲冑・刀剣は企画展の形で公開され、端午の節句に甲冑を飾る武家の風習を紹介する展示など、季節の年中行事と結びつけたテーマ展示も行われている。武家文化を「移住先で維持された生活文化」として捉える構成は、城郭や大名家の宝物館とは異なる視点を刀剣愛好者に提供する。
刀鍛冶工房と体験学習館
本館に併設された体験学習館には「藍工房」と「刀鍛冶工房」が設けられている。刀鍛冶工房では刀剣制作の工程や道具・材料を見学でき、展示ケース越しの鑑賞にとどまらず、日本刀がどのように鍛えられるかを実地に近い形で理解できる。作刀の現場を常設的に併設する博物館は全国的にも数が限られており、当館の大きな特色となっている。
縄文・アイヌ文化と重要文化財
武家資料と並ぶ柱が、有珠モシリ遺跡の出土品である。同遺跡の出土品は国の重要文化財に指定されており、当館が収蔵している。加えて縄文・続縄文文化やアイヌ文化の資料も体系的に展示され、噴火湾沿岸に積み重なった人間活動の層を一館で辿ることができる。武家文化・先住民文化・先史文化が同じ館内で並置される構成は、北海道の博物館ならではのものである。
館の構成と利用
本館1階には、ワークショップや講演会・展示に使われる「ラーニング・スタジオ」と、図書室および市民コレクション展示を兼ねる「ライブラリー・コモンズ」があり、1階は無料で利用できる。2階に常設の展示室と、企画展・特別展を行う特別展示室が置かれている。令和4年度からは指定管理者制度が導入され、株式会社伊達観光物産公社が運営にあたっている。
見どころ
- 亘理伊達家伝来の武具・甲冑・刀剣── 宮城県亘理から北海道へ集団移住した武家が携えてきた武具類と家臣団関係資料。移住先で散逸せず伝わった稀有な武家コレクション
- 刀鍛冶工房── 体験学習館に併設され、刀剣制作の工程・道具・材料を見学できる。作刀の現場を常設併設する博物館は全国的にも少ない
- 有珠モシリ遺跡出土品(国指定重要文化財)── 噴火湾沿岸の先史文化を代表する出土資料群
- 端午の節句の甲冑飾り展示── 所蔵甲冑・刀剣を武家の年中行事と結びつけて紹介する季節企画展
- 縄文・続縄文文化とアイヌ文化の常設展示── 武家文化・先住民文化・先史文化を一館で並置する北海道ならではの構成
※開館時間・展示内容は変更される場合があります。訪問前に公式サイトをご確認ください。