※画像はイメージです。人間無骨
Ningen Mukotsu
別名: 人間無骨・森長可の十文字槍・鬼武蔵の槍
解説
鬼武蔵の槍
人間無骨(にんげんむこつ)は、室町時代に作られた十文字槍で、織田信長・豊臣秀吉に仕えた武将、森長可(もりながよし)の愛槍として知られる。長可は森蘭丸の兄にあたり、その苛烈な戦いぶりから「鬼武蔵」の異名で恐れられた。現在は個人蔵。
銘と彫
穂の表に「人間」、裏に「無骨」の文字が彫られており、これが号の由来となっている。「人間に骨など無いかのごとく斬り裂く」という意で、槍の切れ味を誇示した凄絶な命名である。茎には「和泉守兼定作」の銘があり、歴代の兼定のなかでも最高の名手とされる二代兼定、通称「之定(のさだ)」の作とされる。
造り込み
穂の長さは約37.5センチメートル、鎌刃を含む横幅は約35.7センチメートルを測る。十文字槍としてはきわめて大振りで重量もあり、実戦でこれを自在に振るうには相当の膂力を要した。長大な鎌刃は、刺突だけでなく薙ぎ払いや馬上からの斬撃にも用いられた。
森長可と人間無骨
長可は十七歳でこの槍を手に初陣ともいうべき戦に臨み、二十七の首級を挙げたと伝わる。この働きは主君である織田信長から高く賞されたという。以後、長可は数々の戦場で人間無骨を振るい、その武勇と苛烈さは「鬼武蔵」の呼称とともに語り継がれた。長可は1584年(天正12年)の小牧・長久手の戦いで討死している。
逸話・伝説
「人間無骨」の号は、穂に刻まれた表裏の文字に由来し、「この槍にかかれば人間に骨など無いも同然」の意とされる。森長可は十七歳でこの槍を振るい二十七の首級を挙げ、織田信長の激賞を受けたと伝わる。以後「鬼武蔵」と恐れられた長可の苛烈さを象徴する得物として語られてきた。