※画像はイメージです。その他の名刀太刀国宝
千代金丸
Chiyoganemaru
別名: 千代金丸(琉球国王の名刀)
解説
千代金丸(ちよがねまる)は琉球王国の国王が代々受け継いだ伝世の名刀で、日本刀の中でも琉球に由来する国宝として特異な位置を占める。刃長約72センチの太刀で、無銘の平造りで、号「千代金丸」として伝わり、柄頭には「大世」の文字が彫られる。号「千代金丸」は琉球語で「永遠の黄金の丸」を意味するとも解釈される。刃文は穏やかな直刃(すぐは)を基調とし、刃中には細かな沸が静かに満ちている。地鉄は板目肌が詰まった品格ある仕上がりを示す。制作地については大和伝とする説、あるいは琉球で活躍した鍛冶師の作とする説など諸説があり、いまなお研究者の間で議論が続いている。琉球王国は尚氏が統治した時代を通じて本刀を王権の象徴として秘蔵し、薩摩藩による琉球侵攻(1609年)を経た後も宝刀として伝来した。明治維新以降に本土へ移り、現在は那覇市歴史博物館の所蔵で、「琉球国王尚家関係資料」の一括として国宝に指定されている。琉球王権の象徴として用いられた日本刀という類例のない来歴が、日本刀史における特別な存在としての価値をさらに高めている。
逸話・伝説
千代金丸には琉球の神話と深く結びついた伝説がある。尚氏の始祖・尚巴志が琉球を統一した際、天から降ってきた霊刀が千代金丸であるという伝承があり、それゆえに「神刀」として王宮・首里城の神聖な場所に奉納されていたとも伝わる。また、この刀を帯びた王は決して戦場で傷を負わないと信じられ、歴代の琉球国王は出征の前に必ず千代金丸を拝礼したという。薩摩の侵攻に際しても刀は無傷で残り、「刀が琉球の魂を守った」と語り継がれている。