※画像はイメージです。その他の名刀太刀重要文化財
秋月太刀
Akizuki Tachi
別名: 秋月・秋月家の伝来太刀・筑後の大名
解説
秋月太刀(あきづきたち)は、九州の雄藩・秋月氏が代々受け継いできた由緒ある太刀であり、筑前国(現在の福岡県)の地に根付いた武家文化を象徴する名刀である。秋月氏はもともと大宰府の南方に位置する秋月城(現・朝倉市秋月)を本拠地とした有力な地方大名であり、南北朝時代から戦国時代にかけて筑前・筑後両国に威を振るった。本太刀はその秋月氏の当主が代々「家宝の太刀」として大切に伝えてきたものとされ、南北朝時代の筑前伝の特徴を色濃く残す優作である。刀身は反りが深く腰反りの強い太刀姿を呈し、南北朝期に特有の豪壮な雰囲気を全身から漂わせている。刃文は中直刃に小乱れが交じる穏やかな構成で、地鉄は板目肌が流れて大肌風の景色を呈する。地沸が細かく散って地景が現れており、九州刀工の特色である荒々しくも力強い鍛え肌を確認できる。茎は大きく踏ん張った形で黒味を帯び、数百年の歳月を物語っている。秋月氏の滅亡後も本刀は地域の文化財として保護され、現在は朝倉市秋月博物館(旧・秋月郷土館、2017年改称)に収蔵されて地域の誇りとして展示されている。筑後大名の歴史と九州刀剣文化を伝える重要な資料としての価値は高く、研究者からも注目を集めている。
逸話・伝説
秋月氏の当主は出陣の前夜、必ずこの太刀を神前に供えて武運長久を祈願したと伝わる。ある戦では絶体絶命の危機に陥った当主が本刀を高く掲げると、天から光が差して敵軍が退散したという奇跡の話が秋月の地に語り継がれている。