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※画像はイメージです。日本刀は鉄製品であるため、適切な手入れを怠ると錆(さび)が発生し、長年磨き上げられた美しい地鉄(じがね)や刃文(はもん)を損なう。逆に、誤った方法でケアすると研ぎ傷や錆の助長につながる。定期的かつ正しい手入れが、刀剣の美観と価値を長く維持する上で不可欠だ。
日本刀の手入れには専用の道具が必要で、これらは「手入れ道具セット」として刀剣商や専門店で入手できる。本稿では各道具の名称・機能・正しい使い方、および注意点を解説する。
概要 打粉は白い粉を詰めた絹製の小さな玉(粉末球)で、刀身の古い油を浮き上がらせるために使用する。刀剣手入れの最初のステップで欠かせない道具だ。
成分 一般的な打粉には内曇砥(うちぐもりと)の微粉末を絹布で包んだものが使われている。内曇砥は刀剣の仕上げ研ぎに用いる天然砥石の一種であり、その微細な粒子が古い油膜を浮き上がらせる働きをする。なお木材や砥石屑由来の「砥の粉(とのこ)」とは別素材であり、混同しないよう注意が必要だ。
使い方
注意点
概要 拭い紙は日本刀の刀身を拭うための専用紙で、柔らかく繊維くずが出にくい特性を持つ。「奉書紙(ほうしょがみ)」や「ティッシュペーパー」で代用するのは表面の繊維くずが刀身に残ったり、強度不足で破けて指を切る危険があるため推奨されない。
種類 市販の拭い紙には「薄口」と「厚口」がある。刀身の拭き取り(油切り)には薄口が使いやすく、最後の油引きには柔らかい厚口が向く。
使い方
注意点
概要 丁子油(ちょうじあぶら)は日本刀の防錆用として刀身に塗布する専用の油だ。丁子(クローブ)から採取した精油が本来の材料だが、現在の市販品は鉱物油系のものも多い。揮発性が低く、刀身表面に薄い保護膜を形成して錆を防ぐ。
使い方
注意点
概要 柄(つか)から刀身を取り外すための道具だ。柄に差し込まれた「目釘(めくぎ)」を抜くために使う。目釘抜きは細い棒状の金属製ツールで、先端が目釘穴の径に合わせて細く仕上げられている。
使い方
注意点
手入れの頻度の目安は3〜6ヶ月に1回の油の交換が基本だ。ただし多湿な夏季(梅雨〜9月)は錆が発生しやすいため、この時期は月1回の確認・油塗り直しが望ましい。
保管は刀袋(刀専用の袋)または刀箱に入れ、直射日光・結露・急激な温湿度変化を避けた室内が適切だ。除湿剤を近くに置く際は、刀身と直接触れないように注意する。
日本刀の手入れは難しくないが、不安であれば最初は刀剣商や刀剣鑑賞会でベテランコレクターに実演してもらうのが最善の学習方法だ。また、日本美術刀剣保存協会(NBTHK)や各地の刀剣商が手入れ講習を開催することもある。正しい道具と正しい手順を身につけることが、大切な刀剣を何代にもわたって守り続ける基本である。
日本刀×日本文化体験
観光スポットと刀剣文化をつなぐ多言語展開。