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※画像はイメージです。日本刀は鉄鋼製品である以上、磁性を帯びることがある。刀匠の作業場では磁石が使われる場面もあり、また保管環境によっては知らないうちに刀が磁化していることもある。「刀の磁化」という話題はあまり表に出ることがないが、鑑定・保管・使用に関わる実務的な問題として、刀剣の世界では重要なテーマだ。今回は日本刀における磁化の原因と、脱磁処理の実際について解説する。
日本刀の主成分は鉄(Fe)であり、鉄は強磁性体(ferromagnetic material)に属する。強磁性体は外部から磁場をかけると磁化され、一定の条件下ではその磁性が持続する「残留磁化(remanent magnetization)」が生じる。
日本刀が磁化する主な原因はいくつかある。
刀が磁化した状態で何が問題になるのか、主に三つの観点から考えられる。
磁化した日本刀を脱磁(消磁)するには、いくつかの方法がある。
実務的には、消磁器を使ったAC脱磁が最も安全で確実だ。精密機械や医療機器の製造現場では当たり前の作業だが、刀剣の世界では必ずしも広く認知されていない。刀剣商や研師の中には消磁器を備えているところもあり、修復・研磨前のルーティンとして磁化確認を行うことがある。
刀のコレクターや居合道の実践者が日常で意識できる磁化予防策は、保管場所の選定だ。スピーカー・冷蔵庫・パソコン・磁石付き収納アクセサリーなどから30cm以上距離を置いて保管することが基本とされる。
磁化しているかどうかの簡易確認には、方位磁針(コンパス)を使う方法がある。磁化した刀に方位磁針を近づけると、針が刀の方向に引き寄せられる動きが見られる。この確認は特別な機器なしでできる手軽な方法だ。
日本刀は精緻な金属工芸品である同時に、鉄鋼の物性をそのまま受ける実物の道具でもある。磁化という現象はその物性の一つであり、正しく理解して適切に管理することが、刀を良い状態で次世代に伝えることにつながる。
日本刀×日本文化体験
観光スポットと刀剣文化をつなぐ多言語展開。