※画像はイメージです。岡田山1号墳出土 額田部臣銘大刀
Okadayama Tumulus No. 1 Nukatabe-no-Omi Inscribed Tachi
別名: 各田ア臣銘大刀・円頭大刀
解説
概要
岡田山1号墳出土の額田部臣銘大刀は、島根県松江市の岡田山1号墳から出土した円頭大刀で、刀身に銀象嵌の銘文を持ちます。銘文は「額田部臣」と読まれ、6世紀の出雲に大和王権の部民制が及んでいたことを示す資料です。出雲岡田山古墳出土品として1985年6月6日に重要文化財に指定されています。
古墳と発掘
岡田山1号墳は6世紀後半の前方後方墳で、1915年と1970年に発掘が行われました。古墳は1965年4月9日に国の史跡に指定されています。刀そのものは出土後しばらくは銘文が知られておらず、1983年に元興寺文化財研究所で保存修理中にX線撮影を行ったところ、刀身に象嵌の文字があることが初めて確認されました。
銘文の内容
確認された銘文は「各田ア臣□□□素□大利□」と読まれ、判読できない文字が複数あります。冒頭の「各田ア臣」は「額田部臣」と解され、出雲地方の豪族の名とみられています。これは金属器に刻まれた文字として日本で古い部類に入る資料で、隅田八幡神社の人物画像鏡などと並び、古代の文字資料として重視されます。
歴史的な意義
額田部は大和王権が設けた部民の一つで、「臣」は姓(かばね)です。この銘から、6世紀には出雲のような地方にも部民制と氏姓制が及び、在地の首長が中央の制度に組み込まれていたことがうかがえます。出雲では中央の統治と在地首長の権威が併存していたと説明されます。
現在
出土品は島根県立八雲立つ風土記の丘 展示学習館に展示され、古代出雲歴史博物館には複製が展示されています。刀剣としての美しさよりも、日本の文字と国家形成の歴史を伝える資料として価値の高い一振りです。
逸話・伝説
X線撮影で初めて銀象嵌の文字が見つかり、出雲の豪族「額田部臣」の名を伝える刀として注目された。