※画像はイメージです。相州伝重要文化財(1961年指定)
疱瘡正宗
Hoso Masamune
別名: 刀 無銘 正宗(名物 疱瘡正宗)
解説
概要
疱瘡正宗は、無銘ながら相州正宗の作と極められた刀で、徳川将軍家に伝来した名物です。将軍が世子の疱瘡(天然痘)全快を祝って本刀を贈る慣習が続いたことから号が付きました。1961年(昭和36)に重要文化財に指定され、佐野美術館が所蔵しています。
号の由来
号の由来は、享保13年(1728)に八代将軍徳川吉宗が世子家重の疱瘡の全快祝いとして贈ったことに始まるとされます。その後も宝暦3年(1753)に家重から家斉へ、文政3年(1820)に家斉から家慶へ、天保11年(1840)に家慶から家定へと、四度にわたり全快祝いとして贈られたと伝わります。鞘書にちなんで名付けられた号でもあります。
姿と作風
刃長は2尺2寸5分(約68センチメートル)、反りは約2.6センチメートルの中反りです。硬軟の鉄を合わせた地鉄には地景や金筋がよく働き、刃文は湾れに互の目が交じり、「雪のむら消え」と評される美しさを見せるとされます。
伝来
もとは伊勢国津藩の藤堂家の所持で、元禄16年(1703)に五代将軍綱吉へ献上されたと伝わります。その後は将軍家の重宝となり、上記の贈答に用いられました。重要美術品には昭和11年(1936)9月12日に認定されています。
現在
現在は静岡県三島市の佐野美術館が所蔵しています。同館の創設者である佐野隆一(1889〜1977)が収集した刀剣コレクションの中核をなす一振りとして知られます。
逸話・伝説
将軍が世子の疱瘡全快を祝って贈る慣習が四代にわたり続き、その名が付いた正宗。