※画像はイメージです。日本美術刀剣保存協会(NBTHK)の鑑定・格付け制度
NBTHK — Japan's Sword Appraisal and Grading System
1948年に本間順治・佐藤寒山らを中心に設立された公益財団法人。優れた日本刀を審査・認定する鑑定制度を運営し、現行の「保存刀剣」「特別保存刀剣」等の格付けは国内外の刀剣評価の基準となっている。
解説
設立の背景
明治維新にともなう廃刀令(1876年)以降、日本刀は武具としての実用的地位を失い、美術品・工芸品としての再評価が進む一方で、海外への散逸や粗雑な扱いによる毀損が懸念されるようになった。第二次世界大戦後にはGHQによる占領期の刀剣接収も重なり、日本刀の保存・研究体制の整備が急務となった。こうした状況の中、古刀研究の権威であった本間順治(本間薫山)と新刀研究の第一人者であった佐藤貫一(佐藤寒山)を中心に、刀剣の美術的価値を学術的に評価・保存する団体の設立が進められた。
協会の設立と鑑定制度の始動
日本美術刀剣保存協会は1948年(昭和23年)2月24日に設立され、本間順治は設立時に理事となり、のち1970年(昭和45年)に会長に就任した。設立と同じ年の9月には早くも「貴重刀剣」の認定審査が開始され、以後、協会は日本刀の学術的調査・保存活動と並行して鑑定審査事業を本格化させた。
格付け制度の変遷
鑑定制度は設立当初の「貴重刀剣」のみから、1950年に「特別貴重刀剣」、1958年に「重要刀剣」、1971年に最高位の「特別重要刀剣」が新設され、1973年には中間格付けとして「甲種特別貴重刀剣」が加わり五等級制となった。しかし1982年(昭和57年)にこの五等級制度は廃止され、「保存刀剣」「特別保存刀剣」等を含む新たな四等級の現行制度へ移行した。最高位の「特別重要」は隔年でのみ審査され、認定数は極めて限られている。
現代の刀剣市場における役割
協会が発行する鑑定書は、刀剣の真贋・時代・作者の推定において国内外で最も広く参照される基準の一つとなっている。現行制度下の等級は売買価格や資料的評価に直結するため、日本刀を扱う古美術商・コレクター・研究者にとって同協会の審査結果は欠かせない指標であり続けている。
この時代の刀の特徴
- 明治の廃刀令以降、日本刀の海外流出・散逸を憂慮した刀剣研究者らが保存団体設立を主導した
- 1948年2月24日設立、本間順治(本間薫山)は設立時に理事となり、のちに会長を務めた
- 同年9月には早くも「貴重刀剣」の認定審査を開始し、鑑定制度の運用が始まった
- 1950年に「特別貴重刀剣」、1958年に「重要刀剣」、1971年に最高位「特別重要刀剣」が順次新設された
- 1982年に旧五等級制度を廃止し、「保存刀剣」「特別保存刀剣」等を含む現行四等級制度へ移行した
- 最高位「特別重要」の格付けは隔年審査で、認定数は刀剣・刀装・刀装具を合わせても極めて少数にとどまる
- 現在も国内外の刀剣売買において同協会の鑑定書が真贋・価値評価の主要な基準として機能している